1年で本を300冊読もう!ただいま、24冊目。
■気持ちが晴れていなければ、なかなか「どうしたら」「なにをしたら」というように思考は未来を向かない。あたまの中をうろつきまわるのは「なぜ」「どうして」と過去にフォーカスされた言葉ばかりだ。
■ あの時ああだったからか、あの人が、自分があんなだったからか。やっぱり困っている。やはり問題がある。何かヒントになればと本を読めば、「あなたが思い通りに振舞えないのは、、幼少期に受けた親からのメッセージによるものでしょう」などとしたり顔に書いてある。そうかなるほど。そうかもしれない。でも、だから、それで?なにをどうすれば?「あのときああじゃなかったらな」なんてありふれた思いは、ふと浮かんで消えてゆけばそれでいいかもしれない。
でも、それにがんじがらめになってしまっていては今にあって今を生きていないのと同じことだ。
■私の中で、「これ以上犯人探しはしたくない」という思いが、このところではもう決定的になっている。
■ 筆者はその意味で、病や問題を見つめているのではなく、患い煩う人間を見つめている。心に問題を持つものたちが今を生きて未来を見つめるために、抱える問題をどうとらえて、どう対処していけばいいのかをやさしく書いている。数々の「治療」を、治療を受ける側にとってわかりやすく説明し、どんな心がまえを持てばいいのかを教えてくれる。具体的なところでは、いい医者・セラピストの見分け方も指南。そして、治し方ならぬ「治り方」を教えてくれる。(例えばうつの兆候なんていうものはたくさんのところで触れられているけど、どう治っていくのかはそれほど語られない。後者のほうがよほど明るく希望が持てる内容にもかかわらず。)
■本書の最後の最後に書かれた「セルプヘルプ」のワークは、紙に書かれた文字にもかかわらずすぐそばで誰かが語りかけてくれているような温かみがあった。それは著者が込めた思いの強さが伝わったかのように。ずっと誰かに言ってもらいたかった、いやむしろ、自分が自分に言ってあげたかった言葉だったのかもしれないとも思う。心に問題を抱えている人、困りごとのある人はもちろん、そうでない人にもお勧めする。「ただ生きていく」という大業にエールを送る良書である。
(08/02/07読了)
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