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[books]セレンディピティの探求―その活用と重層性思考 澤泉 重一 片井 修 (55/300)

楽しい読書生活

08.03.24
セレンディピティの探求―その活用と重層性思考 (角川学芸ブックス)
澤泉 重一 片井 修
角川学芸出版 (2007/12)
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【セレンディピティを高め、価値ある偶然を迎えにゆくために】

■「偶然と察知力によってあてにしないものを発見する才能」であるセレンディピティについて解説するだけでなく、セレンディピティカードの活用などによってその能力の高めかたについても書かれている。

■偶然といえども、気づきがなければ発見とはならないのであって、「察知力」(偶察力ともいわれるそう)が大切なのは当然のこと。

セレンディピティ的な観点からの察知としては、以下のことに留意したいものです。
  • 些細なことでよい
  • 結果までを見通す洞察でなくてよい
  • 記録として、保存と加工を可能にする
  • 十分な期間をかけて有意義な発見に育てる

これらは、個別で見るとなんでもないようなことばかりなのですが、習慣化してデータが蓄積されるようになると、ほかとの関係性において大きな意味をもってきます。(p.74 第五章の「察知力とその意義」)

「これって、ブログというツールが察知力を高めるのにぴったりということではないか」と思いながら読んでいた。が、読みすすめていくと、認知科学の分野でいわれる「外化(頭の中から取り出して記録に残すこと)」を特に短期作業記憶に注目して活用していくことに意義がある、と。短期作業記憶は処理容量が小さく、保持期間は20~30秒。それを外化にまで結びつけるには、ブログというツールだけでは難しい。ユビキタスキャプチャーのような取り組みが必要となってくる。短期作業記憶を外化したのちに、「加工を可能にする」という部分でデジタルツールが非常に有効になってくるだろう。

■質のいいインプット(情報収集)についての考察も興味深い。セレンディピティ的観点で情報への対応を行うにおいて、「情報の価値自体は時間の経過とともに変化するもの」である、つまり価値は可変であるためダイナミックな視点に立つことが重要であること。そして情報価値が低くとも情報への関与によって価値を高めていくという考え方は非常に重要だと思う。

情報自体が有している内容に不の要素があるとしても、活用しだいによってはそれを情報の付加価値として生かすことができます。これは、ものごとに特徴があり、その特徴は見方によって長所にも短所にもなるというところです。
 情報の付加価値は当事者が高めていくものであり、評論家的立場の人は「情報の価値を見極めて対応することが大切である」と言ってすむのでしょうが、現実的には当事者意識をどれだけ持って取り組むかの意気込みのほうが一層大切です。

有効な情報を見極めろ!といわれてもこまってしまうところがあったのだが、当事者性をもって取り組むことで情報に自分なりの価値をつけるという考え方ですっきりした。

(08/03/17読了)