『侏儒の言葉』芥川龍之介より
成すことは必しも困難ではない。が、欲することは常に困難である。少くとも成すに足ることを欲するのは。
我々はしたいことの出来るものではない。只出来ることをするものである。これは我我個人ばかりではない。我我の社会も同じことである。恐らくは神も希望通りにこの世界を造ることは出来なかったであろう。
忍従はロマンティックな卑屈である。
しかし自由とは我我の行為に何の拘束もないことであり、即ち神だの道徳だの或は又社会的習慣だのと連帯責任を負うことを潔しとしないものである。
運命は偶然よりも必然である。「運命は性格の中にある」と云う言葉は決して等閑に生まれたものではない。
最も美しい石竹色は確かに蟇の舌の色である。
死にたければいつでも死ねるからね。
ではためしにやって見給え。
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