「手作りのおいしいオムレツをつくって
大ちゃんは言った『おそまつさまです』」
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大学のときの先輩。
一軒家に下宿していてお料理上手。
よく手料理を振る舞ってくれた。
わたしがはじめて食べたスペイン風オムレツは先輩のもの。先輩の下宿で。
それからスペインオムレツはわたしの大好物のひとつになった。
「ごちそうさま!」と私が手を合わせて言うと一緒に手を合わせ、
おとうさんだかおかあさんだかおにいさんだかなんだかわからない優しい声で「おそまつさま」と言う人だった。
まだ二十歳そこそこだったのだから「おそまつさま」は似合わない気も少ししたが、大ちゃんにはなぜかしっくりきた。
少し冷たい、言葉の鋭い、背筋のピッと伸びた人だった。
「大ちゃん、今どこにいるんだろ。」
……と呟く私に今は、よしこがおいしいスペインオムレツをつくってくれている。
